works200901
I.T. Fighter I / 40×100×50mm / 2009年 / エポキシパテ、プラ板、マイクロコントローラ、基板

2列に並んだ合計10個のスイッチは、基板を経由してパソコンに接続される。形態としては一種のキーボードであるが、キーを押したときに入力される情報をもって、一般的なキーボードとは存在意義を異にする。人間の指がキーを押したとき、何が起きるのか。キーは電子回路の一部をショートさせることにより、入力された事実を演算装置=マイクロコントローラに伝える。演算装置は一文字ずつ文字をパソコンに送り出し、文字は意味を成す文字列となって画面上に現れる。では、その文字列とは何か。それは、「お世話になっております」や「よろしくお願いします」などというオフィスワーカーが一生を通して何万回と入力を繰り返す定型句である。タイプライターが発明される以前、人間はペンや筆を握りしめ、紙の上に感情を綴っていた。何十秒かもしくは何分かという比較的長い時間をかけて。では、人間が意図をただひとつのキーを押すことで伝達できるようになったとき、どのような「快・不快」が脳内で発生するのだろうか。

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